Only You...
ドリーム小説
遠い未来から来た青年トランクスは、暫く修業ばかりしているため、たまには街に行って息抜きしなさい!とブルマが強引に家から追い出した。
乱暴だが、これはブルマの優しい心遣い。
「母さんったら……父さんとちょっと似てきたかもしれないな」
くすりと思いながら歩いていると、右足に違和感が感じた。何かに捕まれている。だが、これといった殺気はない。
足を止めて右足の方を見ると、ピョコピョコ揺れる黒ウサギの耳の帽子を被り、白と黒でデコレーションしたワンピースを着た可愛らしい女の子が、無垢な目でトランクスを見上げていた。女の子の目には涙が溜まっていたが、まだすぐに泣くという程度ではない。
少し安堵したトランクスはいったん後ろを向いて女の子と目線が合うようにしゃがみこんだ。
「どうしたの?お嬢ちゃん」
「……パパァ…………ママァ…………」
ヘニャッと座り、目尻に涙を貯めて今にでも泣きそうな勢いに慌て出すトランクス。どうやら女の子は迷子になったのだろう。
「あぁ泣かないで!俺が君のパパとママを探してあげるから」
「本当に?」
「あぁ。ちゃんと君を無事にパパ達の所へ帰してあげるから、泣かない………で?」
「ふぇ……ほんとでしゅか?」
「あぁ。お兄ちゃんはウソつかないよ。まず、君の名前を教えてくれないかい?」
「…………。3ちゃい」
涙をこしこし拭きながら名前と年齢を言う。
そしてこの後親が登場してを連れて行こうとするが、はトランクスと離れたくないと駄々扱いて本格的に泣く。
「!これ以上迷惑掛けちゃいけません!」
「やぁだぁ!やぁ〜〜〜〜!!!!」
興奮状態になったに、親もトランクスも頭を悩ませた。
何か思い付いたトランクスはにこそこそと耳打ちをする。
言い終えた後ではピタリと泣き止み笑顔でトランクスを見上げた。
「お兄ちゃん!約束だよ!」
「あぁ。約束」
二人だけの約束に親は首を傾げながらと手を繋いで場所を去る。
この時トランクスが言った言葉。
「君がもっと大きくなったら、君を花嫁にするよ。そうしたら、もう離れられないだろ?」
二人だけの約束。
やがて世界は平和になり、幼い頃約束したトランクスとが結ばれる日は、ゆっくり、着々と優しい進んでいた。
End