主夫から主婦へ
ドリーム小説
料理、洗濯。全ての家事はセルに任せっきりで、【主夫】です。
……なので。
彼を【主夫】から外させます。
「……という訳で。今日は私が料理作るから、セルはジュニちゃんと遊ぶなり、ゆっくりしてね」
というの言いつけに、セルとジュニアはリビングにポツンと取り残された。
「今日はお父しゃん、お料理つくらないの?」
「あぁ。今日はお母さんが作って……」
ガシャン、ガシャン!!パリーン!!
「「……………………」」
「お、お父しゃん……」
「ジュニア。何も聞いていない。何も……」
ボム!!ドカン!!!!
バッコーーーン!!!!!
「ひーん」
キッチンから聞こえる爆発音に脅えるセルジュニアは父の背中にうずくまる。
セルはただ、激しい爆発音が聞こえるキッチンを見守ることしか出来なかった。
「……ジュニア。ブゥと遊んで行きなさい」
「……はぃ……」
この激しい爆音に耐えられないジュニアは、魔人ブゥと遊びに外へ出かけた。
セルは一息つけてからキッチンへ向かい、何やら漂ってくる怪しい煙がキッチンから流れていた。
(この状況だとゆっくりしようにも出来ないなぁ……)
「…………(しくしく)」
「………………」
普段見慣れているキッチン。だが、漂う灰色の煙。床に散らばる焦げた塊。その床で絶望に落ちたようにしゃがんで俯くが半泣き状態でいた。
セルは最愛の妻に慰める言葉より、激しく変貌したキッチンを見て唖然とするばかり。
「どうして……?なんで…………?」
「…………?」
弱々しい声で呟くに声を掛けるセル。は振り返り、目尻に涙をたっぷり溜めて勢い良くセルに抱きつく。
「ゴメンナサイ、セル!!あたし、お料理作りたかったのに、こんな……戦場みたく…………」
「分かったから泣くのは止めないか。」
「う、うぇぇぇえん!!!!」
セルはの頭を撫でると、一気に泣き出したを抱きしめて背中を撫で続ける。
皿の上に乗っている紫の物体を見ながら……。
「。料理が出来なくても、一生懸命私の為にしてくれたその努力だけで私は満腹なんだよ?」
「でも、妻としてやっばり………」
セルは、ゆっくりにキスをする。
長い口付けだ。何度も角度を変えたり舌を絡め合わせ互いの息が上がってる。
セルが唇を離すと、銀色の糸が二人を繋ぎ、やがて玉となって消える。
は、顔を赤らめて虚ろな目で呆然として上目遣いでセルを見上げていた。
「さぁ。外へ行ってジュニアと遊んでいきなさい」
「………はい………」
まるで催眠術に掛かったかのようには素直に従い外へ向かう。
「……さて」
この荒れ地を片づけようとセルの手はテキパキ動く。ラディッツの細胞が入っているため便利な体を得たセルにとって楽勝なことだ。
数分もしない内にもとのキッチンに戻りひと段落。
残るは………。
皿の上に乗っている紫の物体。
「これはどんな風に調理すればこうなるのだι」
少し呆れたような表情でボソボソとした物体をひとつまみし、口の中へ運ぶ。
もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ……。
この味は……!!
セルの中で雷が落ちた!
私の力に及ぶ程、破壊力のある味だ!!!!
※要するに不味いということだ。
それから新しい献立を作ったのだが、セルは一週間激しい腹痛にて床に伏せたらしい。
End